ある軍事評論家の死
今朝(・・・いや昼だったな。)起きてびっくり・・・・。
あの軍事評論家の江畑謙介氏が死去したというNHKの報道がありました。
現時点で、各紙が一斉に報道 していますね。地味にすごいヒトだったんだろうなぁと思います。
江畑氏といえば1991年の湾岸戦争でNHKの軍事解説者として登場し、信ぴょう性の高い解説で評判であった一方、あの独特の髪型がお茶の間で話題になりました。
多国籍軍のイラク侵攻以後は毎日のようにコメンテーターとして、ニュースに登場し、憶測から決して飛躍しない冷静な戦況分析が中学生の僕には何だか印象的でした。
その後、NHKの戦争報道では必ず登場するようになった江畑氏の解説には必ず耳を傾けていたのですが・・・。 突然の死去にちょっと驚きました。
まだ60歳という若さだそうで、亡くなられてかなり残念です。
彼の存在が軍事評論家と軍事おたくの違いというものを認識させてくれたように思います。
豊富なデータを駆使した客観性を貫いていたこと。
と、
冷静な分析力。
が彼を最も信頼できる軍事評論家であり、その第一人者たらしめた理由だと思います。
巷に軍事おたくは数多くあれど、その多くは道具である兵器に関心は集中しがちです。またその知識を用いて主観を交えて論じてしまうのは単なる軍事おたくの域を出ないわけです。
評論家に大切な資質として、不可欠なものは“客観性”であり、その本質の部分を失わせず、いかに効率よく、わかりやすくして読者や視聴者に提供するかまた時には視点を変えて、あらたな知見を提供する。
それが評論家の存在価値でもあるわけです。
その点、彼の論調は、膨大なデーターがまず始めにあって、そこから「“何を”みるか」という姿勢がとてもよくあらわれていたのかもしれないと思うのです。
数多くの著書を読みましたが、現代の軍事情勢をいかに捉えるかという難題に真摯な姿勢で取り組んでいたような気がします。
今後中国の軍事力増大を始めとする将来の東アジアの軍事バランスなど、関心事に事欠かなくなるこれからの時代に、ぜひとも彼のコメントを聞きたかったと思うのはなにも僕だけではないでしょう。
そういう意味で60歳という若さで亡くなられたのは非常に残念でなりません。
また江畑氏の著書でも読んでみようと思います。
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