2009.11.03

映画『沈まぬ太陽』の感想

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昨日は、今日が休みだったので、久しぶりに実習の帰りに映画を観にいきました。



観た映画は山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』。 



途中10分間の休憩を挟む、202分の大作です。3時間を超える劇場作品ってあの「タイタニック」以来のような気がします。

映画館は、新宿バルト9 。 久しぶりに来たけどいいシネコンですね。




・・・さて、映画を観た感想です。

まずはヒトコトで言うと・・・・、

面白かった。

です。この手の映画は僕は大好きということもありますが・・・。以下はネタばれが多少あるかもしれないです・・・。

まずこの映画に対する思い入れは以下の2つの要素があるかどうかで大きく変わってくるのかなと思いました。

1.日航ジャンボ墜落事故の当時の記憶があるかどうか

2.長らく会社勤めをしているか

この物語の自体、日航ジャンボ墜落事故が大きなファクターを占めています。僕はこの当時のことを衝撃とともにしっかりと記憶している世代ですから、序盤の墜落シーンはいきなりクライマックスみたいに、ものすごく衝撃的でした。


2.は経験していないのでわかりませんが、1.の日航ジャンボ墜落のことをリアリティーを持って記憶しているだけで、この映画は楽しめるはずです。


現在もこの事故で被害者がいるわけですから、この物語は非常に繊細な問題というか、、立場が保たれねばいけないはずです。しかしこの時期に、202分と言う大作を作り上げた制作側の熱意と努力は報いられるべきではないでしょうか。



見どころとしては、何といっても渡辺謙の存在感でしょう。


言いかえれば、“渡辺謙劇場”を堪能できます・・・。


彼の存在感と演技力でついスクリーンを見てしまう・・・・。イヤミでもなく、英雄気取りでもない、円熟の増した誠実な演技が観客の心をつかんでいくと思います。 彼のおかげでこの3時間の映画が成立したと言っても過言でもないかもしれません。



逆にダメなところとしては、何といっても


CGがしょぼい・・・


と言う点です。墜落シーンもそうですが、たぶん日航の全面協力を得られなかったこともあって、飛行機のシーンは全てCGですが、、それがもうしょぼすぎです。
CGが出てくるだけで一気に萎えてそれまでの物語への集中が冷めて苦笑さえも出てきます。なるべくCGを避けて他のシーン構成を考えるべきだったと思います。

あと、墜落後のあくまでお涙ちょうだい的な古臭い演出も一部分あって、これはやりすぎだなぁと思うところもあったが、まぁこれは邦画にありがちなところなので。。。。


しかし、墜落後の御巣鷹の現場とか、遺体安置所のシーンとか本当にTVの報道や新聞でみたそのままの姿を映像化したのはものすごく価値あることだと思います。これはやはり映像でないと表現できない仕事だと思います。



あとは山崎作品特有の人間の思惑が絡んだドロドロ感は、若干薄いかなと思いましたが、映画の中にしっかりと漂っています。山崎作品には独特の毒気があるのですが、現代風に若干スリム化されているといった感じです。まぁこれはこれで見やすいのでいいでしょう。



ちょっと若い人には、巨大企業組織の闇、墜落事件のこと、政治とカネなど。。。難しくて、実感が湧かないかもしれませんが、その闇の中で渡辺謙扮する恩地の生き方が相対的に浮き出てくるわけです。しかし、その対軸として行天(三浦友和)が存在するわけですが、彼も彼なりの信念で会社の中を生きていきます。


山崎作品殆どすべての作品にみられるのは、物語の中での社会問題を提起している他に、その原因すべてに人間がいてこそ作り上げられるということを主張している気がしてなりません。人間があくまでもそのフォーカスなのです。個人には善悪の2元論では割り切れない背景や立場、問題があるのだということを書いているような気がしています。


そういう意味で、僕には今回の『沈まぬ太陽』を見て、恩地にスポットを当てるあまり若干善悪論が前面に出過ぎたのかなと感じつつも、恩地と行天の生き方をそれなりに理解でました。



いい作品だったと思います。ちょっと古臭いけど作品全体に誠実さがあるなと感じました。こういう誠実な映画って最近見ないですから・・・・。

こういう社会派で硬派な映画がもっと増えればいいですね。

ホント最近、世の中軟派すぎますから・・・(笑)

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2009.06.22

『真夏のオリオン』

週末に池袋で

真夏のオリオン

という戦争映画を観てきました。映画館で映画を観るのは1年半ぶりです。



まぁ潜水艦と駆逐艦との闘いを描いた映画なんですが、もうツッコミどころが満載の映画でしたね。

戦争映画に大切な緊迫感もぜんぜんなかったし、そういう場面を作り出そうとしているシーンは幾つかあったんだろうけど、あまりにも演出がお粗末だったので見事に空振りしていましたね。


脚本がもうダメずぎて、、、ストーリーの破綻ぶりに個人的には笑いが止まりませんでした。

本当はそんな映画じゃないんだろうけど・・・・・。

全国に公開するような映画でこのレベルはひどいなぁと思いました。



この映画には原作が存在して、実話(多分、終戦末期の伊-58潜の戦闘が基になっているはず)の部分も多少入っているような映画は、もっと背景からしっかりと勉強して制作して欲しいものだと思います。。。

映画評はコチラ から・・。まさしくこのブログに書かれている通りだと思いますね。

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2008.08.05

WHITE LIGHT/BLACK RAIN

昨日の深夜にNHKで『WHITE LIGHT/BLACK RAIN ヒロシマ ナガサキ 白い光 黒い雨 あの夏の記憶』が放映されていた。

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非常に良いドキュメンタリーだったと思う。ということは、非常に重い内容だったということ。

アカデミー賞を受賞したこともあるスティーブン・オカザキという日系人が製作したドキュメンタリー映画で、広島・長崎の被爆体験をした14人の証言を基にしたインタビューがその内容の骨子になっている。




被爆した朝の状況から、被爆後のこと、戦後被爆者としての周囲からの差別を受けたことなどの証言の構成が素晴らしく、その証言とともに臨場感を引き出している。

「被爆直後に亡くなった人もそりゃつらいだろうが、戦後何十年も生きてきた我々はもっと辛かった。」

という証がとても切実に感じられた。そんなことを軽々しく言えるはずないのにそれを言えるというだけの経験をした自信があるのだろう。重かった・・・・。



またその証言の何人かは、負傷具合が悪かったために、戦後すぐ日米の原爆調査委員会の記録フィルムに収められていたりもした。

映画の冒頭に原宿で、日本の若者へ「1945年8月6日に何がおきたか、知っていることがあれば教えてください」という質問をしていたが、フィルムに登場した若者全てが「わからない」とか「知りません」という具合に答えているのは驚いた。(もちろん、ちゃんと答えられた若者もいるだろうけど・・・。)

また、証言者の多くは当時は小学生や中学生であり、原爆によって肉親を亡くし、その死骸を見たときの状況を当時を冷静に淡々と話す姿が見ているこちらもあまりにも辛かった。

形も無い自宅跡で炭化死骸で残った金歯から母親とわかった人や肉親が焼け死ぬ姿を目の前にして何もできなかった人・・・・。



この日本もそういう時代があったということを、すでに過去形にし歴史として封印してしまうのか、それとも痛みや課題を背負って現在進行形として問い続けていくのかは、これからを担う我々の世代の課題なんだと思う。

しかし、被爆者が年々少なくなっている状況で、被爆者たちの願いもまた届かなくなっているように思える。被害者側での我々は特にそれに当てはまるような気がする。

こういう歴史に残るようなドキュメンタリーを制作したのが日系人ということもこれらのことを端的に示している。アメリカと日本の狭間に位置し、自己のアイデンティティーを問い続けている人間は、自然と自分のルーツとなる国の歴史に多くの関心をもつ。我々の先祖はどんなことをしてきたのか・・・と。




歴史を知る過程で日本という国は他国とは違い、ちょっと特異な体験をしてきた国なんだとつくづく思う。

しかしその過去の経験を将来の日本に生かすこともできないんだろうなという失望感も年々大きくなっているのも率直な感想だ。単なる経験としてしまうのはあまりにも悲しいことだと思う。



そういう国がどういう結末を迎えるかもまた過去の歴史を知ればわかること。



そして明日は8月6日。



我々は自分達のことをもっと知らなければならない。

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2008.03.30

『TITANIC』

昨日と今日で民放で映画『タイタニック』やってましたね。




いや~。見ちゃいましたよ。




『タイタニック』って1997年公開だったんですね。

11年前の映画かぁと思うと、この11年の月日を感じずにはいられないです。




この映画、公開中に3回も観に行ったいわくつきの映画です。

そのぐらいハマりました・・・・。

公開当時、現役の大学3年生。青春真っ只中でした。

この映画を観ると当時の色々なことを思い出します。

この映画観るのに普通に1時間ぐらい並びましたね。

1,2回目は普通に感動しました。3回目は前半部分は寝てて、氷山にぶつかったシーンまで爆睡してましたね。後半は普通に感動してました。




今日は吹き替えだったものの、今みても複数回、鳥肌が立つほどに感動しました。

冒頭のモノクロの出港シーンとラストの廃墟のタイタニックのホールでの出演者総揃いの回想シーンが一番好きですね。それまでの悲劇が救われるという感じがします。

そしてあのケルティック調の映画音楽もとても雰囲気を高めてます。

実話に基づいた人間ドラマとローズとジャックのラブストーリーなど・・・・。

いろんな伏線を史上最大の遭難事故「タイタニック沈没」というイベントにつめこみ、ちゃんとそれなりに完結しているあたり、やっぱ今でも面白いし、感動できます。




この映画で、今まで人づてに伝聞でしかなかったタイタニックの沈没過程が詳細にわかったという点でも当時話題でしたね。

この映画に触発されて、当時世界最大の豪華客船だった「タイタニック」をネットで調べまくりました。ちょうど、今や当たり前になったネットが流行していた時期です。




まぁそんなこんなで、『タイタニック』はいい映画だと思います。



僕に『タイタニック』を語らせたらなかなか止まらないのでこのへんで・・・・。

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2008.01.26

『マリと子犬の物語』 

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今日、銀座シネパトスで観てきました。



こんな歳でなんなんですが・・・・、しかしです。

子供向けだと思って「侮るなかれ」です。

映画自体の質もなかなか良かったと思います。

ストーリーはさておいて、キャストの熱演は素晴らしかったと思います。





以前に他の映画を観たときに、予告編をみただけで涙腺がゆるんでしまったので、「意外とこれは面白いかも・・・。」と感じていたのですが、やはり期待を裏切りませんでした。




個人的な体験として・・・・・、

中越地震が発生した時は、東京でも揺れを感じました。

たしか喫茶店で受験勉強している最中に、どこで発生したかはわかりませんでしたが、異常に持続時間の長い、長周期の地震だったことから、「これはどこかでかなり大きい地震が起きたな。」というのは直感でわかりました。





それはさておき、あらすじも明快で、ラストも読めてしまう単純な映画ですが、ついつい泣けてしまう映画です。

始まって10分ぐらいで、子供の兄貴が妹にすでに亡い母親の手紙を読んできかせるあたりで、涙腺は緩み始め、

陸上自衛隊のヘリコプターによる救出が人間のみしか許されず、マリとその子供たちは見捨てざるを得ないシーンで、一気に涙がでました。これはヤバイかったです。

大人の観点から言うと、その状況は「しょうがない。」とか「当たり前じゃん。」の一言で終わらせてしまいがちですが、観ている大人たちに対してもそうは思わせないのが、今回の演出の良さであり、この映画の良さだったと思います。

このシーンで涙腺がゆるんだ人は、その後の涙を誘うシーンでもきっと泣けるでしょう。




思うに、この別離のシーンがこの映画の最大の見せ場でもあるような気がしました。もちろんラストもそれなりに感動できますが、こちらはちょっと演出がありきたりすぎて、(けど子供向けという点から考えるとしょうがない気がしますが、)

ラストよりも別れのシーンの印象の方が強烈すぎて、マリとの再会シーンは感動というよりも、「カメラカットがきれいだなぁ」という点に目がいきがちになってしまいました。

あと自衛隊はいつみてもカッコいいです。


題名からは犬がメインだと思われがちですが、




観終わって結局のところ、

地震災害に会いながらも母親犬でもある「マリ」という犬のたくましさに希望を見出しつつ、困難に立ち向かっていく家族の話だったのだと思います。

個人的には、子供がいたら、やはり子供に見せたい映画でしたね。

けど今日みたいに泣いていたら父親の示しがつかないかも・・・・・・。


そして、

地震災害を題材にして、作り手の真剣さが伝わる映画であったことは間違いないです。






今年から自分勝手に採点してみようと思います・・・・。

『マリと子犬の物語』(東宝系)

(5点満点中 4.5点)・・・・・・今年しょっぱなでですがイキナリ高得点!!

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2007.12.25

『プライベートライアン』で泣いてみる

誰しもがクリスマスの夜にロマンチックさを求めてしまうものですが、

この前、TSUTAYAで大量のDVDを借りてしまい、今、それをひたすら見続けているところです。

今日とりあえず見たのが、今までみた映画の中で必ず感動してしまう、

『プライベートライアン(Saving Private Ryan)』

僕が見た中で、最高傑作の部類に入る戦争映画の一つ。

とりあえず、今日も半泣きでした。

今まで見た戦争映画の中で最高傑作はこの『プライベートライアン』の他に、

『ブラックホークダウン(Black Howk Down)』(2002年)

『史上最大の作戦(The Londest Day)』(1962年)

『撃墜王アフリカの星(Der Stern von Afrika)』(1957年)

なわけですが、まぁこれは余談・・・。




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とりあえず、この映画は胸が熱くなります。生きる“誇り”とは何かということをいつも考えさせられます。

死んでまでして守ったり、また得ることができる“誇り”なんて果たして存在するのだろうか・・・・ということとか・・・。

特に最後のトム・ハンクス扮するジョン・ミラー大尉がライアン2等兵に語りかける最期の言葉で、いつも涙がジワッと溢れます。




「James.....earn this.... earn it.」 (ムダにするな。しっかり生きろ。)





ライアンを連れて帰り任務を完遂できれば、「胸をはって故郷に帰る」ことができると、それまでの長い戦闘と精神的な疲れの末に見つけたミラー大尉の人としての“誇り”を見つけたことで結局、皮肉な結末に終わるあたりが悲しいですね。そして、部下を死なせたというミラーが戦争で背負った十字架は彼が死ぬことで消え、それと同時に「自分のせいで人を死なせた」という戦争の十字架をライアンが背負い戦後を生き、最期のノルマンディーの墓地でのシーンで、その呪縛から解き放たれるという感じなのだと思います。

この映画は単なる戦闘シーンがすごいだけの映画じゃないんです。

奥が深いです。

ちなみにこの映画、日本語字幕ではわからないのですが、

「earn」

という単語がキーワードのような気がします。

最期の老人ライアンがミラーの墓の前で告白するシーンにも,

「I hope that at least in your eyes, I've earned what all of you have done for me」

(あなたがしてくれたことに、私が報いていたら幸せです。)

という台詞が出てきますしね。

好きな映画は生英語で楽しむのも面白いと思います。

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2007.12.17

「FLY BOYS」

今日は、午後から「免疫学」のテスト。

これで5教科目。残すは明後日の「微生物学」のテストのみ・・・。






勉強の話とは全く関係がないのですが、

・・・・・というかテスト期間中にこんなことしてていいのか?とも思いましたが、

やはり“大空”への衝動は抑えることができませんでした・・・。





今日は夜からシアターN渋谷で映画「FLY BOYS」を観てきました。以前から観たかったのですが、今週で終わってしまうことを昨日知り、急遽観てきました。

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舞台は、WWⅠのヨーロッパ戦線が舞台、まだアメリカが参戦していなかった頃、フランス空軍(その頃から空軍はないと思うけど・・・。)でアメリカ人志願兵で編成された「ラファイエット中隊」という結構、有名な戦闘機部隊があったけど、そこでのお話。

映画の出来云々というよりは、「戦争モノ&戦闘機モノ」ということで、かなりアツく映画を観ることができました。それも飛行機が兵器として登場したばかりで全てが複葉機という、なかなか珍しい作品なのではないかと思います。

作品自体は、戦争映画なのか、青春映画なのか、果たしてアクション映画なのか、どっちつかずの中途半端な作品だったと思いましたが、子供の頃、本気で「戦闘機乗り」になりたかった僕はかなり楽しめました。ノリは完全にアメリカ映画で、そこんところはあまり好きではなかったけど、頭を使うことなくみれて良い気分転換にはなりました。

空中戦は、飛行機も機銃もそれほど発達していない時代で戦術は至って単純明快。なんだか騎士の決闘みたいで、不思議な感じがしましたが、戦いの中に“人間の生き様”が見えるようで、現代のハイテクで人間味のない戦闘ではみられない“泥臭さ”が出ていたような気がします。

昔の男どもは大空に飛び立って、それぞれのプライドをかけて闘ったと考えるだけで、胸が熱くなりました。なんだかゾクゾクしました。

最後のエンドロールではやっぱり右目から涙が流れてました・・・・・。




次は注目のラブコメ「カンナさん大成功です!」でも観にいこうかな。韓国発のラブコメはかなり面白いのは過去に実証済み。

その前に頑張って勉強しなきゃね。

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2007.11.04

「Mayu -ココロの星-」

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今週2本目の映画。

21歳で乳癌に罹った女の子の実体験を基にした映画。

告知された日からガンと闘い、「生きる」ことを通して成長してゆく1年間の記録。その1年間を通して一回り大きくなった主人公が本当の意味で健気で、本当に好感がもてた。

この映画のことを知って、このことに関して個人的な想いがあるのでぜひ観たかった。観たかったというより観にいかなければいけないと感じた。

しかし、今では東京、大泉学園町にあるシネ・コン「Tジョイ・大泉」で19:25分の一日一回の上映のみだったが、車を運転して大泉学園町まで車で行き、観てきた。







肝心の映画について、

個人的な思い入れもありとてもいい作品だった。

オープニングが幻想的で何だかよかった。





テーマは、「生きる」というコトバが一番シンプル。





21歳という若さでガンになってしまったことへのやりきれなさ、死への恐怖。再発の不安。

同年齢の子たちが決して感じることのできない複雑な葛藤が等身大で描かれていたと思う。彼女を取り巻く家族、友人、恋人の登場人物の存在が単なる闘病映画というより、青春映画的な感じがして、つい内省的になりがちな映画の傾向をうまく薄めていたように思う。この点も今回は吉とでたのではないかな。

また平山あやの熱演がすごく光っていた。まさに迫真の演技とはこのことか。また配役の女優さん、俳優さんもとてもよく、うまくまとまっていたように思う。

主人公とガンの構図よりも、主人公を支える周囲の人たちの関係が僕にとってはとても共感がもてた。

自分では相手を励ましているつもりが、ガン患者には単なる嫌味だったり、傷つけているだけに聞こえてしまったり、そういうことが積み重なって2人の距離をますます遠ざけている結果になってしまっているだけだったり・・・。

そういうとき、コトバの無力さにどれだけ悩んだことか。




結局のところ

「ガンと闘う相手の気持ちを完全に共有することなんてできない」

という現実を映画で見せつけられて、ふと自分の経験したことを思い出してしまったりして、

ものすごく悲しくなってしまったけど、それが現実だからしょうがない。

けど、相手の気持ちを共有することはできなくても、患者を勇気づけられることや力になれることもある。そういう意味で、本人だけでなく周囲にいる人々もガンに対して闘っているんだと思う。





コトバは多くの場面では無力かもしれないけど、

             コトバでしか励ませないこともある。

自分の存在が余計かもしれないけど、

             自分だけにしかできないこともある。

そういうことで当時はよく悩んだっけ。

こういうことは実際に経験してみないとわからないなのかもしれない。

文字にしてみると何だか野暮な感じもするなぁ。







最後の前向きなエンディングは僕も救われた。主人公はまだ健在だそうな。

僕の場合は4年前にバッドエンドで終わってしまったけど・・・・・。

主人公が医学部受験を目指していたことなどがシチュエーションが同じでなんだか不思議だった。





そして映画のラストシーンでの主人公の台詞にハッときた。





「大丈夫。 きっと、 君は頑張れる」





このコトバを4年前のあの時に言えていたら、彼女も救われたし、また僕ももっと救われたのかもしれない。







なんだかしんみりしてしまったけど、僕にとって救いの映画になりました。

「観てよかったな。」と素直に思います。

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2007.10.30

「アフター・ウェデイング」

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久しぶりに映画を観た。

久しぶりなので、最近はとんとどんな映画が公開されているかもわからず、ケータイで適当に調べて観に言った映画が、昨年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた、デンマーク映画「アフター・ウェデイング」だ。

その思いつき的な適当さのわりには、映画はとてもよかった。

これも最近注目されているというスザンネ・ピアという女性監督の手腕なのだろうか。

女性監督ということもあって、映画の作りは依然観た邦画「ゆれる」に似たものを感じた。

作中にちりばめられる、叙情的でかつ繊細な映像描写と計算されたカットは女性という感性だからこそできたものだろうか。非常にきめ細かい。

そして、男性監督が作っている映画では、それを観ていくうちにそのテーマに向けて収束していくパターンが多いのだけれど、女性が作った場合必ずしもそうではない。むしろ発散していくパターンが多いように感じるのだけれど、今回観た映画もそう感じた。

複合的なテーマがからみあって、その解釈は観客に委ねられる。

だが、「ゆれる」を観たときと違い、今回の映画のテーマはより普遍的であったことで映画を観終わったあとの解釈と感想は観客に委ねられたことがむしろ気持ちがよかった。

あらすじは省くとして、テーマは非常に重層的かつ幅広い。その分非常に難しいと思う。

だがそれもあってか観終わって、言葉には表せない感動を得ることができた。

並大抵の感受性では淡々とした映画に思えてしまうだろうが、僕はそうは感じなかった。

僕が胸を張って公言できるものでもないのだけれど、映画の中で、最も分かりやすく訴えかけるのは家族の中で愛の形とは何かということなのだろう。愛の形から形作られる家族像と、逆説的に捉えることも可能だ。愛と家族がが状況により様々に変化していき、人に与え、与えられる「愛」が時には孤独を呼び、人を悲しませ、それが疑心暗鬼にさせる。だが、その様々な感情の根底には、普遍的な愛が横たわっている。それゆえのすれ違いもあるのだ。だが、人はそれを全身で甘受し、乗り越えていく、そのときに家族は家族なりえるのかもしれない。

この監督の考えている愛の形とは、巷の人間が考えている「愛」なんかよりもずっと奥深く、言葉に表せないことを映像化しようとしている。その試みが作中の随所に見え隠れする。

この映画はデンマークの国内で大きく話しが進むのだが、伏線として主人公がインドでストリートチルドレンの慈善事業に携わっている設定である。この伏線が面白く感じた。そのインドとデンマークとの間でも西欧人、非西欧人という関係からの視点からも僕は大きな皮肉を感じずにはいられなかった。

まぁそれは実際に見てからのお楽しみということで・・・・。

とりあえず、色々な人が見てどう感じたのか聞いてみたい作品だと思います。

1人で観にいってもいいけど、こういう映画こそ、誰かと観にいって、その感想をお互い話してみるのに適した映画かもしれませんね。

僕は見終わって満腹でした。3回ぐらいうるうる来たかな。

大人の感覚の持ち主だったら、それなりに色々なことを感じるのではないでしょうか。

ちなみに題名はあんまり関係がないし、ポスターもそれほど作品を捉えているわけではないと感じましたね。

とりあえず観て損はしないです。

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2007.05.22

『僕は、君のためにこそ…』

学校帰りに、新宿バルト9で

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『僕は、君のためにこそ死ににいく』

を観ました。
題の長さに象徴されているように、ストーリーの冗長さが目立ついつもの日本戦争映画だと思いました。
多分、いろいろなことを詰め込み過ぎて、結局何がいいたいのかがぼやけてしまったような気がします。こういうことがかつて日本で起きていた出来事を知らなかった人は除いて、観客の多くがその事実以上の印象が残らなかったと思います。

完全な自己満足映画だと思いました。。

なんか登場人物も微妙な人間の機微というものが描けてなかったのも原因かもしれません。

オリジナルの話はすごく有名なエピソードばかりなんだから、それを製作側の想像力と脚本でもっと膨らまさないといけなかったのではないだろうか。過去の出来事を伝えていかなければいけない大切さはわかるが、それに縛られすぎてもいけない気もする。

過去にあまりにも縛られすぎるあまり、補うべきところを補わず、強調したい点だけを強調したのが今回の映画の失敗の原因だったと思う。

シーン的には良かった所もあったけど、編集もイマイチだったし、最後は正直眠くなりました。

こういう分野になるといつもこんな邦画しか作れないんだろ。






ふぅ~。このあと徹夜でバイトかぁ〜。

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