「電車は血で走る」@劇団鹿殺し
今日は演劇観劇の日。
池袋の東京芸術劇場で劇団鹿殺し10周年記念ロングラン公演「電車は血で走る」をみてきました。
東京芸術劇場に来てみると、NODA MAPの公演がデカデカと・・・・・。
・・・・そうかそうか前売りで買い忘れた野田の「キャラクター」も20日から公演しているのですね。けっ!行きたかったなぁ。東京ってこんなにチケットが早く売り切れてしまうのか未だに理解に苦しみます。
今回の「電車は血で走る」は2008年に一度公演した作品です。それをファンによる人気投票の結果第一位となった本作をブラッシュアップして、再演したのです。
ちなみに僕は「僕を愛ちて」派でしたが・・・・(笑)。
演劇部員5人+新入生3人(勧誘目的)を連れて、前から3列目のど真ん中という最高の席で感激しつつ観劇しました。
僕は芝居でいかに良席を取るかにその芝居の良さを見出せるかの80%ぐらいのウエイトがあると思うのですが・・・・。
ストーリーを書いてしまうとネタばれになってしまうので、ここではあまり触れませんが、当時の行き詰った“自分たちへの応援歌”みたいな意味合いなんでしょうね。
脚本家や役者の将来への不安や苦しみ、劇団の不安定さ、何一つ確実なモノとさえ見いだせない中で、このまま芝居を続けていくことへの焦燥感や不安感があったり、それでも手探りの中で前へ進んでいこうすることで将来を見出して行こうとする自分たちへの応援歌なのです。
芝居をやっていた自分としては、その不安感が少しはわかるような気がして、なんだか共感できました。
自分の頭で考えたって答えが見つからないことだってあるのです。頑張っても自分の思うようにいかないことがあったり、自分の才能に限界を感じたり、動きようがなくても、動きたくなくても、動かなければ不安でしょうがないこともあるのです。
それは芝居が人を動かして、人を相手にして成立する芸術だからです。
劇中に出てくるとある有名劇作家の超有名戯曲も彼らなりに思い入れのある作品なんでしょうね。それを徹底的にネタにしているあたり笑えます。
今作も運動量はハンパなく、しょっぱなから一気に飛ばしたパフォーマンスをかましてくれて観客を圧倒します。
最初は「これ、観客はついてこれないんじゃないかなぁ」と心配しましたが、そこはやはりしっかりと観客の心をつかんでいきます。集団シーンの細かな段取りは大変だったんじゃないかなぁと察しました。
楽団による生演奏、そして劇中歌とそのパフォーマンス。。イイ感じです。それでいて役者としての見せどころは激しいパフォーマンスとは対照的にきっちりとメリハリをつけてみせてくれるのです。そのメリハリがとてもがっちりとハマっていました。 菜月チョビさんと丸尾丸さんの掛け合いは円熟さがありさすがだなと思います。シーン自体は短いですが、魅了されます。
そして作品全体に行き届いた動きにこだわった演出は僕は好きです。
それがうまくいっているからこそ最後はしっかりと物語は収束していくのです。
今回の公演にかける意気込みをヒシヒシと感じることができた芝居だったと思います。毎公演毎に進化し続けているような気がします。
後輩にも好評だったし、連れてきてよかったと思いました。 観に行くと、何らかしら元気をもらえるのがこの劇団のいいところです。
それは今はなかなか感じられない気取らない素朴さがあるからではないかと僕は思うのです。
僕はこの劇団の芝居を観るたびに、かつて芝居をマジメにやっていた頃を決まって思い出します。そして自分の中のノスタルジアに浸るのです。
鹿殺し、次回作は本多劇場ですか・・・。ノリにノッテいてすごいなぁ。料金高くなるのかな。。。
しかし。やっぱ学生生活の集大成は芝居だなと観終わってから思いました。
ちなみに新入生3人のうち1人は入部しているのですが、残り2人は観劇後もしぶっていたので、こんなアツい芝居を観た後でさえも入部を渋る姿を観て「じゃ・・・、どっか行ってしまえ!」と、内心思いました。そんなヤツらはそもそも演劇人ではありませんね。
それはそうと、野田の「キャラクター」を当日券で観に行こうか迷い中です。
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