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2009.05.25

脳神経外科 まとめ

先週の金曜日の深夜3時半に千葉の片田舎の病院から東京に車で戻ってきました。



脳神経外科での実習の2週目は日曜に更新したきりの状態で全く更新ができませんでした。

症例レポートや外科のMedical Reportを書いたり、英語論文を読んだりしないといけなかったので、昼間は病棟での回診と手術見学で時間いっぱいいっぱいだったので、それらの作業は夜の間にしました。

そういうわけで脳外科の2週間はとても内容の濃いものでその点は満足しています。

疾患も急性期疾患の脳卒中を始めとして脳腫瘍、脊髄腫瘍まで多岐にわたるものでした。もちろん2週間では全てを網羅できるわけでもないので、その点では3週間あればよかったのかなと思います。



一番に感じたのは、脳神経外科医の多忙さです。実習にいった病院では脳神経外科医は9人。病床は50床あまり、それらの手術に加えて、時折の救命救急センターにやってきた脳血管疾患の患者さんの緊急opeをしたりと、それはもう忙しそうでした。



ある若手の先生が言っていたのですが、、、

「ずっと病院にいるから季節の移り変わりなんて感じる余裕なんて全くないよ。」

という言葉が印象的でした。若手医師に基本休みなんてないみたいです。最低5年は病棟にへばりつけとのことでした。

日頃のルーチンの仕事の多忙さに加えて、指導医の容赦ない厳しい言葉を何度も耳にしました。まるで軍隊みたいなところでした。



それはやはり、脳神経外科の扱う部位や疾患のシビアさがあるものを思います。オペに失敗すると命取りや後遺症を残してしまうという難しささや、いろんなリスクを抱えながらギリギリのところで手術をしている現実があります。

その厳しさを求めるか求めないかは個人の考えによるところですが、「命を救っている」という醍醐味はあるのだと感じました。

それと今の医学ではどうしても救えない命というのも今回の実習で味わうこともできました。



今回は脳腫瘍が再発した患者さんを受け持たせてもらいましたが、病変の占拠が広範囲のために高次機能障害がかなりあって、満足に会話もできませんでした。
脳幹のすぐ直上にまで腫瘍がせまっているので、オペのムンテラ(説明)では、「下手をするとオペ中に意識が止まってしまうかもしれない」ということを家族の方に説明していました。

脳腫瘍は転移性の場合はのぞいて、本人の生活習慣とは関係ないところで発生してしまいます。本人は何一つ悪いわけではなく、そういう病気にかかってしまう運命の怖さみたいなことを一人で考えてみたりしました。

まぁ・・・、独りで勝手に落ち込んでいたあたり、まだまだ甘い気がしますが・・。

・・・・・そういうわけで何が言いたかったのかというと、脳神経外科の激務を言いたかったわけなのです。ものすごい激務です。これだと体力的にも精神的にもすぐに疲弊してしまうんだろうなぁと思うのはしごく当然だと思います。



今は、産婦人科や小児科に減少がマスコミで叫ばれていますが、脳神経外科の減少率が最も大きいらしいです。それは絶対数の少なさゆえに見過ごされているとか・・・・。

確かに少なくなる理由も納得できます。

実習の始めに医局長から日本の医療の矛盾の話を聞いたということを書きました。現在の境遇の不満とか、進まない新薬の治験とか・・・・。そういう意味で日本は医療後進国なのだそうです。特に期待するわけでもなくひたすらグチを言っていました。そして最近は患者の横暴な主張にやる気をくじかれることもあるそうです。



治るのが当たり前だと感じている患者とQOLの圧倒的な低さの狭間にこの科の医師は苦しんでいるのかもしれません。



今振り返ってみると、脳外に関しては少しはその厳しい現実を垣間見た気がします。

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